株六ぶろぐ

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雑記

ザイFX!投資戦略メルマガ(西原宏一、バカラ村、今井雅人)

2932 STIフードHDの株主優待に同封されていたアンケートに回答したところ、QUOカード2000円分が当選しました!(^ω^)

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20名のうちの一人に選ばれたかと思うと嬉しい~。
以前、9433 KDDIの株主アンケートのやつも当選したし、株主アンケート類はマメに回答しておくといいことあるみたいすよw

ところで、STIフードHDの株主優待(美味しい缶詰セット)は、嬉しい年に2回!

株主優待族ならSTIフードHDを買わないという選択肢はありませんw
まじでオススメで~す♪

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発端は、2件の事故だった。

1件は釜本が某田舎道を走っていたら、対向車の初心者マーク女子大生キャンバスがセンターラインをハミって釜本4トンの右前をコスった後、ストレートに畑へダイブしたという事故。
もう1件は吉田がバースの狭めな倉庫へ積みに行って、隣りのトラックのサイドミラーをケツで押し「ホント全然気がつかなかったよね」状態で出て来てもーて、当て逃げ扱いな事故。

釜本の事故は相手がセンターラインをハミっている時点ではっきり言ってもらい事故だし、釜本はほぼ被害者と言っていい。
吉田のは本当に気がつかなかったのかもしれないけど、バックモニターはあるわけだし、それを見ていれば「ミラーが近いな」と分かるし、「当たるかも?」と思ったならトラック降りて目視しに行けばいいだけの話。でも、吉田は以前から、
「俺はバックモニターが無いトラックもさんざん乗ってきたし、そもそもサイドミラーでだいたい分かるだろ! バックモニターに頼らないと下がれないなんてぺいぺいみたいでダサ過ぎだろ〜」
などと吹聴しておきながら、さんざんぶつけてるてめえの方がよっぽどダサいことに気が付かないおめでたいシト。

ミーティングで二人の処分が発表された。

釜本は反省文&最低2週間の乗務停止。トラックに乗れない間は倉庫作業や車庫の草むしり、待機しているトラックのタイヤの溝に挟まっている小石取りwなどの雑用。
で、吉田はナント!反省文をペロっと1枚出したらそれで終わり。乗務停止などもなし。

…黄金のトライアングル効果、あからさまに出ちゃってるよね。

専務の説明によれば、釜本の事故はケガ人が出ている上にトラックも修理が必要。吉田の事故はただの物損事故だし、相手のミラーの修理費は吉田が自腹で払うと言っているので、会社には特に損害がなーいーかーらー。

「ケガ人いうたって、女子大生がセンターハミって勝手にぶつかってきて勝手に畑へダイブして勝手にケガしたんでしょ? それって釜本に何か責任あるんすか?」

と、木下が素朴な疑問を口にしたところ、専務、

「木下くんのその感覚はいたって普通の感覚なんだというのは分かる。でも、社長とも話したんだけど、なんて言うのかなあ、こういう事故が起きちゃうってことはつまり、釜本くんが道路の神様に愛されていないってことなんだよね。だってそうだろう? もしも愛されていたのなら、こんな風に女子大生が突っ込んでなんて来ないでしょ。わかるよね? 釜本くん、あなたはドライバーには向いていませんよお、ついでに言えばこの会社にも向いていませんよお、って道路の神様が親切に教えに来てくれたために起こった事故。そういうことなんだよそういうこと。ほらね、分かっちゃえば極めて簡単な話なんだね」

で、出たあー! 専務のアホ丸出し謎説法。

続いて社長が、
「今回の事故だけでなく、この半期も何かと物損、商品を問わず事故が多くて会社として利益をまったく出せておらず、誠に遺憾ではありますが今期もボーナスを支給できるような状況にありません」

と言い、神妙な顔をして頭を下げる推定2600万円の車に乗る人。続けて、

「会社がこういう状況なので専務とも相談したんですが、誠に申し訳ないけれども買取ビジネスの年間トップ賞の支給も見送らざるを得ない、という結論になりました。ご承知おきください」

これ。これです。うんこ零細運送屋の賃金支給なんて、実際のところ社長のさじ加減一つでどーにでもなっちゃうわけなんです。

まーでも。
年間トップ賞の支給有無なんて、実質、新田にしか関係ないことだしな。
別にもーどーでもええわ。どーでもいいですよ。

と思っていたら、「バシーーーーン!!」と机を叩く音がした。

永田だ。
いつの間にか鬼の形相をしている。

「おいおいおいおい! 社長、何言っちゃってんの? 買取ビジネスについては、俺と約束しましたよね? 年間トップ賞についても納得してたよね? それを見送る? ハァ? 俺はなんも聞いてない!」

何か言おうとした社長を専務が制し、

「永田さんにはもちろん事前に言うつもりだったんだけど、ここんとこ引っ越しでずっといなかったじゃない? 言いたくても言う機会がどうしてもなかったっていうのがホントのところなんだよね。別に隠してたわけでも秘密にしていたわけでもなんでもない」
「あのさー。そんなの、別に電話でいいじゃん。引っ越しは基本ツーマンなんだから、移動中は電話に出られるし、俺が移動中かどうかは事務所で判断できるだろ。専務さー、もうそういう小学生みたいなしょーもない言い訳やめろよ」

うはあ!
永田、マジやぞ。マジやぞ、永田!

「社長だって年間トップ賞を出したいに決まってるだろ! でも、無い袖は振れねーんだよ。そんくらい分かるだろ!」
「ハァ? 無い袖え? 買取だけで言えば全然クロだろ。まずは袖を食い荒らしてるアホの害虫をクビにしろよ。そもそも何で釜本だけ乗務停止なんだよ。おかしいだろ。社長、この処分で本当に安全を最優先してるって俺に胸張って言えますか?」
「おい永田、俺との話はまだ終わってねーぞ!」

専務と永田、足を止めての近距離での打ち合いや。

専務がブチ切れて何か投げたらそれが始まりのゴング。やがて取っ組み合いになるも、最後は永田が専務の顔面に裏拳を鮮やかに決めて仕留めたりしたらオモロ過ぎやろ〜。ドライバー一同、ワクワクが止まらない!

が。
実際は社長が止めに入った。

「おい専務ッ、言い方ぁ! …永田さん、ごめんなさい。事前にちゃんと言っておかなかったのは私のミスです。本当に申し訳ない」

と、社長は永田に深々と頭を下げた。
永田もそれで鉾を収めるのかと思いきや、

「もうこの際だからハッキリしましょう。今のやりとりでよーく分かりました。専務がいる限り、この会社をナンバーワンにすることは絶対に無理です。それくらいの圧倒的な害悪、それが専務。社長、それ分かってます? 専務をクビにしてください。もし、それが出来ないのなら、俺が辞めます。社長、どっちか決めてください」

社長をにらむように見る永田。
どう答えるのか、みんなの目が社長に釘付け。

社長、ご決断をっ!!

「永田さん永田さん、ちょっと冷静になろうよ。ははっ。そもそもこんなこと、私と仕事どっちを取るの的に聞くようなことじゃないでしょ。私には、『空気と水、どっちを取るの?』と同じ質問に聞こえる。永田さんも大事、専務ももちろん大事。二人ともこの会社にはなくてはならない存在。どっちかなんじゃない、どっちもなんだぜ!」

……。
どっちもなんだぜ! …って、この「ぜ!」ホントにいるう??
いらないのは専務だけど、この「ぜ!」もたいがいいらんなー。

 * * *

「あのクソボケ、なーにがナンバーワンだよ。キャリアカーどーすんだよ。引っ越し用のカゴ車もアホほど仕入れておいたくせに、ぜーんぶほっぽって辞めやがったよ」
「送別会とか、皆さんお世話になりましたのあいさつとか、そーゆーもんないんすかね?」
「ハァ? そんなもんあるわけねーだろ。あいつ、どうやって辞めたか知らねーの?」
「どうやって辞めたんすか?」
「社長のとこにLINEが来たんだってよ。『たいちょう不良で退職します』って一行だけ。たいちょう、はなぜか平仮名で。ホント馬鹿にしてるよなー」
「え? ホントにそれだけ?」
「そう。で、もーまったく連絡取れないんだって。電話もLINEも音沙汰なし」
「マジっすか。それって、藤田の上をいってませんか?」
「あいつ、山ほど引っ越しの予定を入れたまま辞めやがったから、辞めた直後なんて、断り切れなかった引っ越しを専務と運行管理と吉田の3人で大あわてでやってたんだよ。ホント、迷惑なヤツだったよなー」


結局のところ、社長は永田というモンスターマシンを乗りこなせなかった、ということなのだろう。
ナンバーワンに向かって突き進む永田の手綱を握り続けていられず、手を離してしまったのだ。

そんな駄目ボスに見切りをつけ、永田は躊躇なく、さっさと逃げた。
「たいちょう不良で退職します」
というLINEを残して。

永田の行方は誰も知らない。

(完)

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松井証券

9433 KDDIの株主通信を見ていたら、『プレゼントのご案内』というページがありました。
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ハガキとかではなくネットで簡単に応募できたので、
「何かチャンスがあるならば、とりあえず手は出しておかなウソやろ~」
と応募しておきました。

で、やってきました当選品♪

■福島県 産品詰合せセット
無題

無題2
年明け早々、なんかツイてる~(≧▽≦)

「何かチャンスがあるならば、とりあえず手は出しておかなウソやろ~」

今年もこれで参ります参りましょうよ参るのならば!

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株式投資型クラウドファンディング イークラウド



※今回は予告編的ですw

ある日出社すると、社長の駐車スペースにはいつものBMWではなく異様にぴかぴかなマセラティが停まっていた。

「…新車か?代車じゃないよな?」

点呼時に配車に社長の車のことを聞いてみたら、
「社長はホントにクルマ好きだからサー。…株六くん、あれ、いくらするか知ってる?」
「…800万くらいすか?」
「はっはっは、前乗ってたBMが1800万なのになんでグレードダウンしちゃうのよ」
「ええっ?! あの二人しか乗れなさそうだったBM、そんなしたんすか?」
配車はゆっくりとピースサインをし、その後にニヤニヤしながら薬指もちょっと斜めな感じに立てて、
「ま、今度のはこれくらいはするだろうね。2本じゃきかないよ。間違いない」
…薬指の上げ加減からすると、にっ、2600万円くらいか?

ア、アホか〜!!
株買え、株!! JTに全部突っ込んで1万株くらい買えば、毎年の配当収入188万円やぞ!(税引前)
10年持てば、二人しか乗れなさそうなBMゲットやぞ!

点呼を終えて、車庫へ行くため自分のアルトエコに乗った。中古で買った43万円のボクのアルトエコ。すこぶるコンパクト、どんなに狭い道だろうと極狭駐車枠だろうと片手でへっちゃら。そして社長は1800万円のびーえむからの〜今度は2600万円(推定)のスポーティなマセラティ。もう2000万超えたら、マセラッティ!でしょ。シランけど。

アルトエコ×60台=社長のマセラッティ!

ぬ、ぬぉぉぉぉぉ。
暴力や。これが資本主義の暴力っちゅーやつや。

* * *

にしても、社長がマセラッティを買えるほど会社が儲かっているのならば、今度はさすがにボーナス出るんちゃうかあ?

と考えるようでは大甘なのである。
ここで思い出していただきたい。
この会社は激烈零細うんこ運送屋なのだ、と!

過去2回のボーナスシーズンは、主にぶつけん坊将軍が色々とやらかしたせいで修理代だー商品弁償代だーなどがかさんで今期はボーナスを出せるほどの利益がなく痛恨の極みではありますが賞与の支給を見送らざるを得ません、からの〜、

「ボーナスを一番払いたいのは私なんだ! 君らドライバーの笑顔を一番に見たいに決まっているだろ! なのに、利益がない。出したいのに出せない。経営者として涙が出るほど悔しい。そう、一番悔しいのは私なんだ!」

という社長の熱情あふれる謎アピール&社長の背後からすごい眼ぢからでドライバーたちにガンを飛ばし続けていた専務のパホーマンスにより前回、前々回は問答無用でボーナスゼロ。

まずはぶつけん坊将軍・吉田を辞めさせろ。話はそれからだ!

となりそうなもんなのに、なぜか激烈零細うんこ運送屋ではそうはならない。

というのも、吉田の謎の女性人脈?によって、どーーーーも専務の股間がいい具合に潤っているらしい。
社長にとっても、吉田のぶつけん坊成果を理由にするだけでなぜかボーナスを出さなくて良いコンセンサスがドライバー達の間にできている。そして、吉田は吉田で定期的に必ずトラックをぶつける、ながらスマホで急ブレーキを踏んでイイ感じに商品を壊す。

専務は女に困らない。
社長は専務と吉田を上手く使ってまんまとボーナスを出さずにマセラッティとか買える。
吉田はどんなにしでかしてもクビにはならない。

まさに黄金のトライアングル。
ほえ〜、こんな形の「Win−Win」もあるんですね〜、なるほどですね〜。

この黄金のトライアングルを撃滅しない限り、俺たちドライバーにボーナスはない。
諦めてうんこ零細運送屋を去る者もいた。
諦めてうんこ零細運送屋とはそういうもんだと思い込もうとする者もいた。
ハァ? ナンバーワン? 黄金のトライアングルがある限り、無理ジャネ? はは。

ひあー かむずあ にゅーちゃれんじゃー!!


ドライバーの士気のために黄金のトライアングルを撃滅すべく立ち上がった男、
その名は、永田。

決戦は近い。

(つづく。…つづかないかもw)

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酒のアテで結構な頻度でいかの塩辛を食べる私。
いかの塩辛トップメーカーな小野万『いか塩辛の日キャンペーン』をやっていたので応募してみました。

で、本日当選品が到着〜(≧▽≦)

■ボックス外観
box

■ラベル
label

■当選のお知らせ
paper
過去にも当選し、その時の当選品物はほぼほぼいかの塩辛製品ビッチリでしばらくの間『いかの塩辛地獄』になりました。
が、今回は、いかの塩辛系が減り、ふかひれな製品が加わっていました。
この変更は嬉しい!

■今回のふかひれ製品
fukafire

■今回の塩辛系
shiokara
来年も開催されるのか分かりませんが、体感では競争率がかなり低いイメージです。出せば当たる。たぶんw
あなたも塩辛好きならぜひ応募してみてください。

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ある日、帰庫して終業前の点呼をしていたら運行管理が、
「株六さん、明日は永田さんとツーマンで行ってくれる?」
「え、ツーマン? どこでなに積むんすか?」
「場所は近いんだけど、いわゆる引っ越しの仕事でさ」

ハァ? 引っ越しいいい??
ウチ、引っ越しなんてやってたっけ?

「…まー、その、なんつーか、永田さんがやろうと言い出しちゃったんだわ。…はは」

と、完璧な苦笑をする運行管理。
「今岡リーダーが、永田さんが新しく何か始めるって言ってたんすけど、それって引っ越しのことですか?」
「んー、まー、他にも何かいろいろあるらしいけど、明日は引っ越しだね」
「いやぁ、でも、引っ越しって基本バラ仕事でしょ? ちなみに部屋は何階すか?」
「4階。しかもエレベーターなし。ははっ」
「いやいやいやいや、普段はカゴ車押してるだけの俺にそれ、できると思います?」
「でもね、あれだよ、お客さんがお嬢様系の女子大生なんだわ」

なぬっ!
お嬢様系の女子大生!!
のお引越し!だとお!

「行く、行きます!! 行きますよ、なんならワンマンで行くっつーの!」

翌日。
ツーマンで乗るなんて、入社当初の横乗り研修以来だった。
ミーティングの様子などからすると、永田は車内で結構しゃべるのかと思っていたけど、ナビをセットしたら「昨日あんまり寝てないから、とりあえず寝るわ。着いたら起こして」と言うなりガーガー寝始めた。いびきがブタっ鼻になったタイミングでハッと目を覚ますのが少しかわいらしいじゃないか、永田のくせに!

某大学近くのアパートに到着し、永田を起こすと、
「運行管理から何か聞いてる?」
「4階、エレベータなしくらいは聞いてますけど」
「え、それだけ? じゃー、ちょっとびっくりするかもしれない。ま、すぐ慣れちゃうけどね」

「ちょっとびっくりするかも」「すぐ慣れちゃうけど」
こらこら永田、仕事にやんわりとホラー性を持ち込むんじゃないよ。

建物を見上げると、築30年くらいはイってそうなキタナ系アパート。
むむ。お嬢様系の女子大生がホントにこんなとこ住むか? イヤ~な予感。。

永田が玄関のチャイムを押して、
「こんにちは! グッドトランスポートの永田です!」
と爽やかさ全開であいさつすると、すぐに玄関のドアが開いた。

さあ、出でよ! お嬢様系の女子大生!!

「あー、どーもー」
と姿を現したのは、どう見ても中年のショートヘアー、食べることに関して我慢なんてしないわ系のわがままボディのオバサン。。

ぐは! やられた。完璧にやられた。うんこ運行管理にまんまとはめられた。

「ゥオラアアア、運行管理ィィィ!!!」

と叫びたい気持ちを抑え、私もそのボディに軽く会釈した。ボディは部屋の奥を向いて、
「ひなた〜! 引っ越し屋さん来たよ〜!!」
と叫んだ。

おや? オバサンは母とか姉とかってこと?
はいはいはい、なんだ、ひなたちゃん、奥にいてたんや。
そら、オジサン、びっくりしたよ〜。お嬢様系だと思ってたらいきなり野ブ…いや、違う肉体が出て来ちゃったから〜。

が、ひなたちゃんが出て来る気配はない。永田は、
「じゃ、早速、作業にとりかからせてもらいますんでー」
と言い、ドアを全開にした。

ヅ、ヅォォォ。。

な、なんじゃこりゃ。
見える範囲の廊下全部がゴミ。ゴミ、そしてゴミ。
ゴミだけ、混じりっけなし。ゴミ100%でお届けしています状態。
積雪…いや、積ゴミ40cmって感じ。
永田は「おーっ!」と歓声をあげ、

「前回来た時よりは、だいぶ片付きましたね〜!」

えええっ、こ、これでえええ??
ウソをつけよ、永田!!

「ほら、株六くんも中に入って」
「…これ、土足でいいんすよね?」
「なわけねーだろ! いやほんとおねえさんすみません、もーこの見習い、たまにこういうつまんない冗談言っちゃうんですよー、ははは」

ええええ。だって、ゴミの上を歩くんでしょ? 別に土足でええやん。
女子大生の引越しだっていうから、『靴下屋』でふんぱつして買った新品のオシャレでいいやつをおろしてきたのに。いいやつ、汚れちゃうじゃん。。

ひなたちゃんは、ワンルームのベッドの上に座ってスマホをしていた。
その部屋も当然ながらゴミだらけ。
掃き溜めに鶴ならぬ、掃き溜めにひなたですわ。
ひなたちゃんは、お嬢様系というよりは明らかにギャルだった。髪が中途半端にピンクでアイラインばかりが妙に強調されているメイク。自分を見せることにそれだけ気もお金も使っていそうなのに、その部屋はなぜこうなってしまうのだ?

「おー! 後藤さん、前回からずいぶん頑張って片付けてくれてるじゃないですか。作業がやりやすくなってホントに助かります!」

( ̄□ ̄;)!!
だーかーらー。
ウソをつけよ、永田!!

スマホから顔を上げ、永田を見て少しはにかむひなたちゃん。
…てか、「前回」は、いったいどんな状態だったんだ?

ゴミは辛うじて生ごみ系だけは処分してあるようで、刺激臭な部分という意味ではギリセーフだった。Gなどの昆虫も見える範囲ではいない。
それにしても室内にまんべんなく散らばるゴミの類は、コンビニ弁当の空き容器やストローを差したままのスタバのアレ、マックの包装紙&袋、100本は間違いなくあるだろう空のペットボトル、着た後なのか洗濯後なのかもよく分からない大量の服、アマゾンとZOZOTOWNの箱で出来た塔、謎の美容機器たち、無駄に多いクッションやぬいぐるみ、教科書の類などなど。洋服タンスの引き出しはすべて全開で、そこからは服が凍った滝のようにでろでろ〜んとはみ出している。

まずは通路を確保して、動きやすくしようということになった。
歩行の邪魔になる物(=ゴミ)はとりあえずバスルームに押し込んでおくよう永田に言われ、バスルームへ行った。
すりガラス越しに見える浴室がなぜか黒みがかっている。。

んん? 黒壁の風呂なんてあるうう?? あ、逆に、令和の流行りは黒壁とか? …まさか黒カビとかじゃないよね。いや、いくらなんでもそれはねーだろ、カビでこんな黒さ出るう? そこまでひなたちゃんを見くびっちゃいけない。で、実際のところ、黒壁? 黒カビ? 末尾がバとビでえらい違いやな。ちゃう、ベとビや。アカン、恐怖で頭が混乱してきた。開けるぞ、俺はドアを開けるぞ!
ひなたちゃん、おいちゃんは信じているよホントだよ、信じる者は救われる、ゴッドブレスミー!!

ガチャリ。

う、うわあああ!!

(以下、自粛w)

* * *

別の日に、今度は大学生♂の引っ越しに駆り出された。

9時に行くと言ってあって実際9時2分前に行ったら、うんこ大学生は部屋でまだグーグー寝ていた。
玄関のチャイムを何度か鳴らして、やっと出て来たと思ったら、思っきり目くそが付いた顔での第一声が、

「あれ。今日でしたっけ?」

おいおいセイガク、引っ越しなんだよ、引っ越し。
当然前日までにマエオーがヅクリニーしといて、今日俺たちが行ったらすぐそれらをトラックに積んで出発、で、引っ越し先で速やかに降ろして「ありがとうございました。またお願いします! ニコッ」ちゃんちゃんで終わるつもりで来てるわけ。それを目くそ満点な顔で、

「あれ。今日でしたっけ?」

ってなんだよ。
永田もカチンと来ていたようだったが、表情にはまるで出さず、作業中は鼻歌で『蝋人形の館』を歌ったりする余裕さえ見せていた。

おまえを梱包して2トントラックに積み込んでやろうか? ふはははは!
ドゥートゥトゥトゥトゥトゥトゥトゥートゥトゥトゥトゥトゥトゥトゥートゥトゥトゥトゥトゥトゥトゥー、ジャジャジャッジャッ!(←蝋人形の館のイントロ)


* * *

「永田さん、俺って前回の引っ越しはひなたちゃんのステキな汚部屋。今回は当日すらグッスリ寝太郎のうんこ学生で、2戦全敗みたいなもんすよ。こんなん、ホントに事業として成立してます? 続けていけます?」
車庫へ向かう途中のトラックで、私は永田に愚痴った。永田は私が話している間、ずーっとウンウンと頷き続けて、
「まー、株六くんはたまたま横綱、大関戦と厳しいところに連続で当たっちゃったってことだよね。でも、簡単な引っ越しってーのももちろんあるわけ。立ち合い、変化、はたき込んでバッタリ、えーこんなに簡単なのにこんなにもらっちゃっていいのー? みたいな。ちょっとしたお金持ちに当たれば、料金とは別にダイレクトに懸賞金をもらえちゃったりもするわけよ。それをさ、たまたま連続で役力士に当たったことをウジウジ考えて先行きに絶望するなんてまったくナンセンスだよ。初日、二日目は黒星、その後は全勝で幕内最高優勝ってことも当然あるわけでしょ? ナンバーワンを目指すってことは、常にそういう考え方をしていかなきゃダメね。株六くんも、一番一番を大事にしていこう!」

…がっつりブッコんでる相撲の例え、分からないこともないけど多くの人にはたぶん分かりやすくもない。。

好きなものは聖飢魔兇搬臍衙弌△い困譟屮如璽皀鷄陛帖廚噺討个譴訝法
その名は永田。

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じゃらん
JTB

お金の教養講座

翌月の給料日になった。
給与明細を見ると、日給が正確に1000円減っていた。
運送屋の給与体系は「日給月給」(日給×出社日数)なことが多いので、以前よりも1000円×出社日数の分だけシンプルに給料が減る。

釜本がたまらず専務に文句を言いに行ったら、

「日給が減ったことを嘆いている暇があるのならば、1台でも多く不動車を見つければいいだけの話なんだ。
だってそうだろう? 1台見つければ前より倍の2000円なんだぜ。2000円だよ、2000円。
毎日1台ペースで見つけていけば、逆に日給が1000円増えちゃうって計算なんだよ、逆に。そこは頭の固い釜本くんでもさすがに分かるよね? そうなんだよそうなんだよ、全然減ったんじゃない、逆に言えば増えていると言ってもいいとボクは思う。むしろこれは倍々ゲームって話になってくるよね、逆に!」

などと煙に巻かれたらしい。。

その後も釜本は専務を見かける度にしつこくブーブー言っていたせいだろうか、長距離な配車ばかりを割り当てられるようになっていた。埼玉を出て仙台で積み、それを長崎へ配送。で、長崎で積んで横浜に降ろして帰庫、みたいなルート。なかなか事務所に戻って来れない。戻ってきても深夜で、もはや専務は帰宅しており不在。埼玉へ帰って来た日は休みになり、その翌日は早朝にもう出庫。当然、そんな早い時間に専務はまだ出社していない。

ある日、22時過ぎに帰庫して事務所へ行ったら釜本がおり、私を見るなり釜本は、
「株六さん、専務って、マジでクソっすわ」
から始まる愚痴を浴びせかけて来た。

事務所で奇跡的に専務に会っても、専務は相変わらずこちらの質問にはまるで答えず自分の言いたいことをひたすらしゃべり続けてこちらにツッコむタイミングをまるで与えずそうこうしているうちにどこかから電話がかかってきて「悪ィ、釜本、電話だ。じゃ、とりあえずそういうことで!」で毎回逃げやがんだよ。バカ配車にも圧かけてるみたいで、オレなんかここんとこずーっとクソ仕事ばっか。この間なんて30キロの米袋350袋、でもパレ積みパレ降ろしだからー、言われて行ってみたら全部バラ積みバラ降ろしでやんの。ありえねー。で、バカ配車、「あれえ? パレパレじゃなかったのお? ゴメンねゴメンねえ」とか笑いながら言ってやがって、ホント米袋満載の10トンであいつのアルファードにノーブレーキで突っ込んでやろうかと思ったよマジで。別の日は、北海道降ろしで青森で積んで名古屋降ろし、名古屋で積んで川崎降ろしで帰庫、だったはずなのに、川崎で降ろしてバカに電話したら、「そのままそこらで休息して、明日の朝4時に川崎で積んで徳島行ってくれる?」とか言いやがんの。もーあんまり頭に来たから、「明日は歯医者の予約してるから無理です」って断ってやったわけ。もちろんそんな予約してなかったけど、バカの言いなりなんて何かムカつくじゃん。へっへっ、バカ配車ざまあ! とか思ってたら、折り返しですぐ専務からキレ気味な電話がかかってきやがって、
「かまもとせんせい、あんたさー、ウチの会社、マジで向いてないんじゃないの〜?」
とか言ってきやがんの。ハァ? おまえこそ専務に向いてねーだろ。まったく、バカは電話してくんなっつーの!

と、止まらない釜本。

…てか、釜本よ。
この部屋にも監視カメラがあるけど、そんな風にノーガードでブッチャケてもーてて大丈夫か。。

* * *

たかが1000円。されど1000円。

結局オイシイ思いをしているのは、経営層と新田だけじゃないのか。

が。
実は、新田も皆が思っているほどには潤っていなかった。

不動車というものは、そもそもそうポンポン現れるものではない。長い間、放置されているからこそ不動車だと分かるのだ。逆に言えば、数か月は放置されていないと、パッと見では不動車かどうかは分からないということだ。
ある意味で、焼き畑農業に似ているのかもしれない。そして、もう近場の不動車は、ことごとく新田が焼き尽くしてしまっており余力はゼロ。パッと見で分かる不動車など、もうこの近辺には無い。1台も。

つまり。
年間トップ賞の可能性がある新田だけは、その賞金額にもよるが、年収単位で言えばまだ潤う可能性はある。
しかし、トップ賞の芽が無いほとんどのドライバーにとっては、日給がただ1000円下がっただけなのだ。

永田システムは、俺たちドライバーをいじかめているだけじゃないのか?

この月の社内ミーティングはコロナ再拡大を理由にスキップされた。(本当のところは、ミーティングをやったら釜本がまた斬りかかってきて面倒くさそうだから説あり)

そんなある日、ドライバーのみで構成されているグループLINEに吉田が活き活きと投稿してきた。

「みんな、目が覚めただろ。俺たちは、Nにハめられたんだ。俺のにらんでいた通りだった!! あいつら、全員グルだぞ!」

他のドライバーは、

「そいや、この間マセラティのディーラーに社長っぽい人いた」
「まじ? ちょっと前だけどポルシェの営業が事務所にきてた」
「…社長、また車買い替えんの?」
「俺らの日給カットして、外車買うってこと? ありえねーな」

などと投稿。
そして、それらを受けての今岡リーダーのLINEは、

「カットした俺らの日給で買える外車ってどんなだよww ほんと、キミらは木しか見てないんだなww」
続けて、
「クルマ買取なんて永田さんにとっちゃまだ序章だよ。誰も聞いてないの? 永田さんの二の矢の話」

ハァ? 二の矢のはなしい?? なんそれ。
てか、毎回無駄にもったいぶるそれ、なんなん。

「初耳。てか、1年後には13番目くらいの矢の話になってんじゃ?(爆)」

「www
もし、10個めの矢を超えたら、イマオカン、また事務所に連れていかれちゃってくださいwwww」
「www」
「腹いたい」

✌今岡くんだよ✌さんが退出しました。

「あ! イマオカン、ブチギレてグループ抜けやがったw」

(爆)

当然、二の矢を、もしかしたら三の矢&それ以降までも持つらしい男、
その名は永田。

→へ

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永田の腹案は発表されて以降、社内では「永田システム」と呼ばれ、徐々に定着しつつあった。

3か月ほど経つと、個人のモチベーションによって成績に明らかな差がついていた。
トップ賞はドライバーとして今まで全然目立たない存在だった新田。この1か月で26台、3か月トータルで50台を超え、栄えある最初の四半期トップ賞に輝き、賞金5万円をゲットした。発見のみで終わって1台も買い取れていなかったとしても、発見報奨金1000円×50台超、そこにトップ賞の5万円で最低でも10万円を獲得、さらに買い取れた時のボーナス分も当然プラスされているだろう。

「新田くん、すごいねえ! この1か月なんて平日ベースで1日1台以上だよ。それも仕事しながらだよ。新田くん、実はそれ用のバイトでも雇ってんじゃないのお? アハハ。もう俺は今後3か月『素晴らしい』という文字はニッタと読むことにしちゃう! なんつって。アハハハ」

と、ミーティング途中に設けた授賞式で上機嫌に語る永田。と思ったら、

「でさー」

と言い、急に真顔になる永田。

「吉田くん、吉田くん。ちょっと俺の見間違いだったら悪いから、自分の口から言ってもらいたいんだけど、吉田くんは結局3か月で何台だったんだっけ?」

永田が吉田を見ている。
吉田だけをまっすぐに見ている。
あの眼。
あれは、クソにたかるハエを見る時の眼だ。

「は? ゼロだけど」

特に悪びれもせずに言う吉田。

「そうかー、やっぱりゼロかー。つまりこの3か月間、吉田くんはウンコしてトラックぶつけてただけってことだよね」

「は? 別に強制じゃないでしょ? 何でディスられなきゃ…」

「ディスってねーよ! 事実を淡々と話してるだけだろ!!」

で、バシィーーーーーン!!

わー、永田、また机叩いてんよ。。

「まーまー、永田さん。個人攻撃はやめましょう。あなたらしくもない」

と、珍しくしゃしゃり出て来る専務。

…あなたらしくもないって、吉田を徹底的に詰めて口答えしてきたら怒鳴って机を叩くなんて、もはや永田のお家芸だと思うんですけどー。

「社長や永田さんとも話したんだけど、どうやったらドライバーのみんなにもっとやる気になってもらえるのか、そしてもっともっと稼いでもらえるのか、事務所の中でちょっと話をしました」

と専務は語り始めた。要点をまとめると、

・日給をちょっと1000円下げる
・その代わり、発見報奨金を倍の2000円にアップ
・3か月トップ賞を10万円にアップ
・買取ボーナスを25%アップ
・年間トップ賞を倍にする

「ん? 日給を1000円下げることに、みんなドン引きしてる? これはね、ボクは前から思ってるんだけど、日給ってそもそも何かねって話でね。キツいバラ仕事しても楽なパレ仕事しても日給は同じってちょっとおかしいと思わない? 本来はそういうところは手当なりなんなりで報いていかなくちゃいけないんだろうけど、ウチみたいな小さい会社はなかなかそこまで手が回らなかったんだね。みなさんには本当に申し訳ないなあと思っていたところに、永田さんから今回のご提案をいただいてね。これでウチの会社にも、その頑張りに応じて頑張った人がちゃんとその分の報酬をもらえる素晴らしいシステムが出来たね、と社長もたいへん喜んでいました。というわけで、今月からこのシステムでいきますから、みなさん、よろしくどうぞ!」

満面の笑みで語る専務。

「ま、何もないと思うけど、何か質問ある人いるかな。まあいないよね?」

前置きの言葉といい、専務からにじみ出ている「下郎の分際で専務に質問しようとは甚だ無礼であろう」なこの雰囲気。これ、手ぇ上げられるやつなんておるんかいな。。

「せんむ、ちょっといいっすか」

きた! 手を挙げたのは、釜本だ。以前、永田から一矢を報いた唯一の男。吉田の飲みの誘いを容赦なく秒で断った男。行けい、釜本! 持ち前のADHDさ全開で空気を読まずに、そのまままっすぐドケチを斬れ! 専務を討ち取ってしまえいっ!!

「バラとパレットで同じ日給は不公平だなーというのはオレも前から思ってて。でも、今回、日給は一律で1000円下がるんですよね? 払う日給が1000円減るんだから、そりゃ会社にとってはいいシステムでしょうよ。そこは分かります。でも、オレらにとっては何がいいのか全然わかんねーっす」

「ははは、なるほどそうか、そういう風に捉えちゃったんだ。違う違う、釜本くん、全然違うんだよ。ドライバーのみんなに注目してほしいのは、頑張った分だけちゃんと報酬をもらえるってとこ。そこはちゃんと事務所サイドでちゃんと計算してます。完璧にシミュレーションもして、うんこれは間違いなくドライバーのためになるよねってことで、社長の了解もちゃんと取れているから。だから、そこは絶対的に心配しなくても大丈夫。安心してください」

( ゜,_・・゜)ブブブッ
何やこの回答。
専務、結構アホやな。。

口を開けたまま専務の回答を聞いていた釜本は、

「日給が千円減りますー、頑張った分はもらえますー、心配しなくても大丈夫ですー。…で、結局オレらにとっては何がいいんです?」

専務の笑顔がちょっとひきつり始めている。。

「あー、そこから? なんだ、釜本くん、意外とアタマ固いな。ごめんごめん、そこにちょっとびっくりしているボクがいるって感じ。ははっ。なんて言うかなあー、木を見て森を見ず、って言葉があるけれども。釜本くんは木を見過ぎているんだね。ボクは森の話をしている。もちろん、事務所の中でもしていたのは森の話なんだ」

と専務が話している途中で釜本がしびれを切らし、

「だからあ! オレらにとっては何がいいのかって聞いてんだっつーの!!」

と怒鳴り口調で言いやがった。わはは。

いいぞ、釜本!
専務を殺ったれい!!


釜本の怒声を聞いて、専務の顔から作り気味だった笑みが消えた。「あ゛あん? っつーのだと? っつーのって、誰に言ってんだ小僧。ナメた口きいてけつかりやがって」とボソっと言った後、みるみる目が吊り上がったと思ったら、バシーーーン!と机を叩き、

「今岡あああああ!! おまえはどんな教育しとんじゃああああ!!」

と拡声器なみの大声で今岡リーダーを怒鳴りつけ、机にあったペンを拾ってオーバースローで今岡へ投げつけた。

う、うわあ。。
専務ってMAXにキレると物投げつける系の人じゃん。やっべー。

「いや、違う違う。専務、言ったの俺じゃないって、釜本だって。俺言ってないって」
「いまおかああ! 全部おまえが悪いんじゃあああ!!」
と叫びながら今岡につかみかかった。専務の変身を知っている者は慣れた手つきで机やイスをどかしたりずらしたりし、初めて知る者はイスに座ったまま「え」「うそ」「まじか」と呆然とつぶやくのみ。専務は、「だから専務違うって」と叫ぶ今岡をそのままものすごい力で引きずって事務所という巣穴へ消えた。
巣穴からは、本来サブウーファーからしか聴こえてこないはずの重低音が断続的に響いており。

重い空気で静まりかえるミーティングルーム。
口を開いたのは、釜本。

「永田さん、モンスターいなくなっちゃったみたいなんで代わりに答えてもらっていいっすか?」
「んん? 俺か? まー、元のアイディアは俺が提供したんだけど、給料面の細かい数字とかは社長と専務で決めてるから、俺は実際のところは何も答えられないんだわ」
「えー。永田さん、もう正直ベースでいきましょうよ、正直ベースで。ブッチャケ今回の変更って本当にオレたちのためなんすか」
「俺の原案では、ちゃんとそうなってる。後は社長のサジ加減でどうなったかだな。ま、来月再来月の給料明細を見ればその辺はハッキリするだろ。とにかく俺は、今までも言ってきたように、この会社をナンバーワンにすることが使命だし、それが当然できると思っている。もし、それが信じられないなら辞めちまえっちゅーの!! なんつって」

シーン。
「っつーの!」でもう既に一人、犠牲者が出てんだよ。
笑わねーよ、誰も。

永田は、専務が投げたペンを拾いながら、
「これさー、実は俺のペンなんだよね。ほら、ここに名前入ってるでしょ? 専務、人のペン投げちゃうんだもんなー、ひどいよなー。物を大切にしない人は、結局は人も大切にしないんだぞお。あ、これは独り言だから」

そう言えば、永田の下の名前って何ていったっけ? と思ってペンを見せてもらったら、

Nagata No.1

うわぁ。
ダッサ! ハッズ!!

自分のペンに「Nagata No.1」とネームを入れている男、
その名は永田。

(つづく。…つづかないかもw)

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※今回はちょっと番外篇w

昼前出社だった、ある日のこと。

点呼場兼休憩室へ行くと、つやつやロングヘアーのおねいちゃんがイスに座っていた。
「あ、おはようございます〜」
振り返ってそう言い、にこりと笑った。

おおお、おっとー! めるるやんけ!!

と思わず言いそうになったほど、めるる似の美形。


なんだなんだ、生命保険の営業か??

と一瞬思ったものの、なぜかウチの制服を着ているぞ。。

「今日からお世話になります、藤田です! あは」

えーーー。
うっそーーーー。
そのルックスで、なぜトラックドライバーーー。
そして、なぜこんな零細弱小うんこ運送屋に来てんのーーーー。

聞けば、24歳。
元々は、ぶつけん坊将軍・吉田行きつけのキャバクラの女のコだったそうな。
それがコロナで失業し、なぜか吉田のつてで入社したんだとか。

吉田に、まさかこんな才能があったとわっ?!
そいや、あいつ、お姉さんいるって言ってたな。お姉さん持ちの男って、女心掴むのホント上手いよね。

今までは新人が来ると、その教育係はほぼ今岡リーダーだったのに、今回はなぜか永田が担当することに。

ちなみに永田、バツ2、現在独身。
今まで書いてきたように、いろいろパワフルでエネルギー度高し。
英雄、色を好む、と言うが。…果たして永田は??

「永田さん、トラックの乗り方だけじゃなくて、男の乗り方まで教えてたりしてなあ!」
と軽口を言った木下をぶん殴りそうになってる吉田。

* * *

ある日のこと、22時過ぎに帰庫して点呼をしに事務所へ行ったら、釜本がちょうど帰るところだった。

「そう言えば株六さん、藤田のアレって、知ってます?」
「藤田のアレ? なんそれ」
「実はよっしーが用意した、永田さんへの刺客って噂っすよ」
「ハァ〜? 刺客う?? 藤田があ? むしろ、ちんぽ刺してんのは永田さんの方だろ」
「…あーあー、ちんぽ言っちゃったよコレ」

そして。
しばらくは、何もなかった。

永田は今日もめるると仲良く出庫していく。
いいなー、めるるが横に乗ってたら、そら楽しいやろな〜。

「ダメだよめるる、ギアはもっと優しく握らなくっちゃ」

とか言ってんのかなー。バカヤロー、永田のバカヤロー!

1ヶ月ほどして、藤田は無事に独り立ちした。
キャバクラで鍛えた接客能力のおかげか、人当たりが良くて気が利く。にじみ出る雰囲気が優しく、何よりもあのルックスであの若さ。お客さんにももちろん好評だった。荷積み先である某菓子メーカーの二代目スケベ副社長に飯に誘われたとか誘われてないとか。

* * *

ところで、この会社の給料は激安だけど、休憩室にあるペットボトルや缶なドリンクは飲み放題で、用意されているおやつ的なお菓子&軽食も好きなだけ食えた。

「こんなしょっぺーもんがタダより、日給を上げてほしいよな」
「いやいや、無理っしょ。社長、ドケチやし」
「でも、俺が前にいた会社は、ドリンクすらも自腹だったっすよ。そこと比べれば、ここの方がまだ全然マシっす。むしろいいなって感じすらします」
「なにマンマと飼いならされてんだよ。どー考えてもドケチだろ、あいつら」

そんな会話をしてからしばらくして、唐突に、
「一日、一人2本まで」
とドリンクを制限する掲示が冷蔵庫に貼られた。

休憩室にも防犯カメラがあるので、この間の会話を社長が聞いてもーてブチ切れたからだ、という奴もいたし、永田の腹案のせいで支払う手当てが増えたことに気づいた経営層が早速ケチり始めたんじゃねーの? という奴もいた。

いずれにしろ、この会社の経営層のケチさ加減は半端ない。

* * *

本数制限の掲示が出てから4日後くらいだったろうか。
東名の事故渋滞のせいで、0時過ぎに帰庫した時のこと。

事務所の前に、藤田の車が停まっていた。
「あー、あいつも事故渋滞に巻き込まれてたんだな」
と思いながら階段を上がっていくと、【休憩室用】と書かれたダンボールを抱えて藤田が階段を降りてきた。

「あ!」

俺に気づいた藤田が一瞬「やっべー!」という顔をしたのを、見逃さなかったぞ、オリわ!

「おぉ、藤田、お疲れ」
「お疲れ様です! 株六さんも東名のアレ? 私だけじゃなかったんだー、ちょっと嬉しいです。(ё▽ё) きゃは!

と、まぶしい笑顔を見せる藤田。
しっかしホントにめるるに似とるなー。その笑顔、激カワやん。
…いや、ちゃうちゃう。ちゃうやろ。

藤田よ。
抱えているそのダンボールはなんぞや?
一日一人2箱じゃなかったよな?
それはアカンで。いくらめるるに似てても、それはアカンて。

と、一瞬ツっこもうかと思ったけど、すぐにイヤな予感がしてやめた。

だって。
この、深夜の事務所には。
俺と藤田しかいない。
わけなんです。

正義感丸出しでツッコんだりすると、

「キャアアアア!! このハゲの男が待ち伏せをしていて、このハゲの男にレ〇プされそうになったんです、あたし!! そうです、このハゲの男です!」

とか叫び出しかねんぞ、こういうタマは。

一方は40代後半のズルムケ頭なハゲオヤジ、もう一方は24歳つやつやロングヘアーで笑顔のステキなめるる。
世間はいったい、どっちの言い分を信じるよ?

「分かる、分かるよ。出来心っちゅーやつだよね、うん、うん、分かる、分かってるんだ。大丈夫、とりあえずパトカーに乗ろう。署でね、話はちゃんと署のほうで聞くから」

そんなリスクを負う意味がいったいどこにあるう?
しかも、ドケチ経営者たちのためにい?


それからしばらくして、藤田は辞めた。
午前10時点呼なその当日の朝9時半くらいに、退職請負NPOみたいなところから事務所にいきなり電話がかかって来て、
「昨日付で藤田は辞めます」
と一方的に通告してきて退職したんだそうな。

ほえ〜、こんな会社の辞め方ってあるう?
さすが20代、今風の若者だね〜。今風の若者ですね〜。

これ以降、キツイ配車が続いた時などに、
「俺ももう藤田っちゃおっかなー」
と愚痴るのが社内で流行w


藤田がいなくなった休憩室では、

永田が一発ヤってすぐに捨てたから深く傷ついてしまったんだ!

とか、

永田をハメるつもりが逆に永田にハメられてすっかり夢中になった藤田に吉田が激怒してストーカー化したため辞めざるを得なくなったんだ!

とか、

某菓子メーカーの二代目スケベ副社長にラブホへ連れ込まれそうになってグーパンチをお見舞いしたら、それ以降の荷物がすべてキャンセルになってもーて、その責任を取らされたんだ!

とか。
いろいろ噂はあった。

「永田さん、藤田ってなんで辞めたか知ってますか?」
「藤田なー。うーん、一言で言えば、『ナンバーワンを目指す会社には、ふさわしくなかった』ってことかな」
「なんすか、それ」
「なんつーか、すごい美人で気も利いて、とても優しくて性格も良い。
そんな女性に、何もないわけねーだろ、ってこと。あるんだよ、もちろん裏の顔がさ。ないわけがない。藤田の件も、ま、そういうことなんだよ」

俺が見たのも、裏の顔だったのだろうか。
いや、あんなもんじゃねーだろ、裏の顔って。

てっぺんの風景だけじゃない、いろいろと裏の顔も見てきた男、
その名は永田。

(つづく。…つづかないかもw)

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また、吉田がトラックをぶつけた。

会社から指示された道で行ったら、たまたま緊急な道路工事をしていて通れなかったらしい。仕方がないんで脇道に入ったら意外と狭く、ある曲がり角で、
「無理か? いや、通れるか? でも、やっぱ無理か? いやいや、意外と行けちゃうんジャネとか言っちゃったりしながら行っちゃったりして!」

ガガガガ!

アルミの箱にモールス信号風なキズを1m弱つけて帰って来た。

吉田に唯一いい所があるとしたら、ぶつけた時に決してしらばっくれず、正直に必ず報告することだ。

「ぶつけた日の退社前の点呼までに正直に報告した者にはペナルティを課さない」

というのが、この会社の暗黙のルール。ま、事故報告書を書かされて、次回のミーティングの時にみんなの前でそれを発表する、というのがペナルティと言えばペナルティだけど。

永田もこの方式で、今までは特に文句を言わずに来ていた。
が、永田が入社して以降、吉田がぶつけたのは今回で3回目だった。
仏の顔も三度まで。永田の顔も…。

ミーティングで吉田が事故報告をした後、永田が言った。

「えーとね、俺がこの会社に来てまだ半年経ってないと思うけど、その間に吉田くん、もう3回目? だっけ?」
「たぶん。…ま、ちゃんと数えてねーけど」
吉田は特に悪びれもせず言った。
永田は「数えてられねーほどぶつけてんじゃねーよ」とあからさまに言い、吉田を見ながら大真面目な顔で、少し怒気さえ込めて、

「あのさ、素朴な疑問なんだけど、吉田くん、運転してる時って眼ェ、ちゃんと開けてんだよね?

うわー。
永田さん、それ、大真面目な顔で言いますか。

思わず吹き出す釜本。右手の甲をおでこに当ててコスる振りをしているけど本当は笑いをこらえているのだろうヒクヒクする木下。そして、みるみる顔が真っ赤になっていく吉田。

「もちろん、開けて…」
「いや、開けてない! おまえは絶対に開けてない!!」

食い気味に怒鳴りつけ、突然キレる永田。こ、怖ぇぇぇ。

「開けててなんでこんな狭い角を曲がろうとすんだよ。2トンで悩むならまだしも、4トンだぞ。4トンで行くような角じゃねえだろ!」

と大声を出し、机を右手でバシーーーーン!!
永田のキレっぷりにみんなドン引きして、笑っていた釜本も木下もシーーーーン。
アイス食べてキーン。あいつ喋ってシーン。

何十秒かして専務が、
「まーまー、永田さん、このご時世、パワハラって言葉もあることだし…」

永田は専務をちらっと見て、軽く頭を下げてから、

「これだけは言っておくけど、今後『行けるかな? 無理かな?』というシーンに出くわした時に、みんなに必ず思い出してほしいのは、
『もしも、これでぶつけたら10億円の賠償』
って言葉。もちろん実際には10億円の賠償なんてことはない。でも、それくらい気をつけて行けるか行けないかの判断をしてほしい。ぶつけたら10億円。こう思えば、100%行ける確信がなければ絶対に行かないでしょ? だって、10億円だよ、10億円。ぶつけたら10億。今後、狭い道では必ず思い出してほしい。そして、今回のような、行けると思って行ったらやっぱり行けませんでしたというクソみたいな事故は絶対になくしてほしい」

今岡リーダーが手を挙げ、
「初めて行く道で、この先が通れるか通れないか分からないって時、あるよね。そういう時は無闇に行かないで、グーグルマップの写真やストリートビューで道幅を確認してみるとか、トラックを駐車して問題ない場所なら、トラック停めていったん降りてさ。で、歩いて先の道をちゃんと確認しに行くのが一番確実だよね。そういうところ、横着しないでさ、ちゃんとしていこうよ。ぶつけたら10億円、いやぁ、この発想はなかったっすわ

イマオカン、途中まではせっかくイイこと言ってたのに、なーんか下手っぴ。

* * *

ミーティングの後、ドライバーだけになった休憩室。

「永尾のやろー、俺のことおまえって言ってたよな? まじムカつくのー」
「かわいちょーに、思っきり怒鳴りつけられちゃったね、ぶつけん坊将軍!」
「誰がぶつけん坊将軍じゃ!」
「にしても、あの人、あんなキレ方するんすね。机バシーンとか叩いちゃったりして」
「てか、知ってる? 専務のキレ方もあんな感じよ」
「え? マジで? 専務がキレたとこって見たことないかも」

専務がキレるところも、いずれ見ることに…?

10億円というフレーズを聞くと思い出す男、
その名は永田。

(『永田という男А戮砲弔鼎)

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